査定依頼をして、査定が出たら次は「媒介依頼」です。
「媒介」とは、二つのものの間にあって両者のなかだちをすること、です。
大切な不動産の販売活動をしてもらう不動産会社の決め方など、媒介依頼をするときに出る質問をまとめてみました。
目 次
Q1. 査定価格が会社によって差があり、どこが妥当なのか判断がつきません。
A. 妥当な価格かどうかは売主さんがいつまでに売りたいのか、によって異なります。時間が掛かっても良いので出来るだけ高く売りたいのか、早期での売却が希望なら相場よりも価格を抑えたかたちになります。
一般的には、3ヵ月~半年を目途に売却が完了する金額で査定価格を出します。不動産会社の営業マンの中には、媒介契約を獲得するがために売れにくい高めの値付けをすることがあります。高い査定価格を提示した不動産会社=いい会社ではありません。売却希望時期など様々な売主の希望を汲んでプロとして妥当な査定価格を提示する不動産会社を選ぶことが大切です。
Q2. 不動産会社を選ぶのに大切なことはありますか?
A. 価格査定での不動産会社の対応をみることで、その会社や営業マンが信用できるかどうかを見極めることが大切です。いかに親身になって丁寧に査定価格の根拠を説明してくれるのか、その説明内容が合理的で納得できるものかなど自分にあった業者を選ばれると良いと思います。
Q3. 依頼をするなら大手の不動産会社が安心でしょうか?
A. 不動産会社にもそれぞれに特徴があります。
大手の不動産会社は販売実績も多く、会社としての経験値は高いです。
一方、街の地域密着型の不動産屋はそこまでの販売実績はありませんし、取り扱いの絶対量が違います。しかし小さいながらも頑張っている不動産屋の方が地元の豊富な知識や街の情報にも精通していることが多いです。どちらにもメリットデメリットがあります。
ちなみに不動産の流通のしくみには、「レインズ」といって不動産会社だけが閲覧できる不動産の卸サイトがありますが、このサイトは大手中小関わらず、全ての不動産会社が物件の掲載も閲覧もできるようになっています。媒介依頼をした会社が中小の不動産会社であっても、レインズに登録すれば地域の全ての不動産会社に情報が行き渡るようになっています。
Q4. 売却の依頼には種類があると聞きました。どれを選んだら良いのでしょうか?
A. 媒介契約には、「一般媒介契約」「専任媒介契約」「専属専任媒介契約」の三種類があります。「専任媒介契約」と「専属専任媒介契約」は、販売を不動産会社一社に絞って依頼する契約方法で、「一般」は複数社に依頼が可能な契約方法です。
一般媒介契約で、依頼する不動産会社を増やせば不動産会社間の競争は高まり効率が良さそうですが、不動産会社にとっては不安定な依頼になるので、販売活動の取り組み方が希薄になる場合があります。
一方専任媒介契約等で依頼する不動産会社を限定すると、不動産会社間の競争は低くなりますが、不動産会社にとっては安定的な依頼となるので、販売活動の取り組みが濃厚になります。
最終的には不動産会社との信頼関係が一番重要ですので、ご自身の意向を明確にした上で媒介契約の種類を決めると良いです。
●媒介契約の種類と特徴
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
他社への複数媒介依頼 | 〇 | × | × |
自ら発見した買主との直接契約 | 〇 | 〇 | × |
契約の有効期間 | 法令上のきまりはなし | 3か月以内 | 3か月以内 |
レインズへの登録義務 | 法令上のきまりなし | 媒介契約締結から7日以内 | 媒介契約締結から5日以内 |
販売活動状況の売主へ報告義務 | 法令上のきまりはなし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
Q5. 買取保証契約とは何ですか?
A. 売却の期限が決められている場合に用いられる契約方法です。
物件の売却活動を一定期間行い、それでも売れなかった場合に不動産会社が予め決めた金額で買い取る契約です。買取価格は査定金額よりも低くなるのが一般的です。