やっとのことで待ちに待った購入希望者が現れました。

これから始まる、条件などの折衝から売買契約~引き渡し(決済)にまつわる質問についてまとめてみました。

Q1. 購入の申し込みが入ったと仲介業者より連絡がありましたが、値引き交渉が入っています。まだ売り出して日が浅いので今回は見送り次に期待するのか、価格を下げて売った方が良いのか迷っています。

A. 売る時は1円でも高く、買う時は1円でも安く、が世の常。特に関西人は値切りの文化があるのか他の地域よりも値段交渉がきつい印象があります(筆者は関東出身です(笑))

というわけで、売却金額は値切られることも想定した値付けが理想です。想像していたよりも大きい値引き交渉の場合、双方歩み寄るという形の値段で折り合いをつける方法もあります。

私の経験上、本当に気に入った物件であれば多少の価格差なら購入するケースが多いです。

また、購入希望者の買える額(収入や借り入れにより)に合わせる為に、想定以上の値引きをせざるを得ない場合は「瑕疵担保なし」といって建物等に何か不具合が出ても一切面倒をみない、という契約方法をとる場合もあります。

尚、今回の商談を見送るかどうかですが、販売期間が長くなると「売れにくくなる」場合が多いので、よっぽどきつい値引き交渉でなければ売却してしまうほうが良いかもしれません。そのあたりのことは、仲介業者が一番わかっていると思いますので相談すると良いでしょう。

Q2. エアコンや照明器具は置いていきたいのですが・・・。

A. 購入者との協議になります。売買契約を結ぶ前に「重要事項説明書」の中の「付帯設備表」と「物件状況報告書」で細かい内容を明記します。エアコン、照明器具、カーテンはもちろん設備機器の不具合や雨漏り、白蟻の被害、近隣トラブルについて等、様々な内容を明記するようになっています。

Q3. 瑕疵担保責任とはなんですか?

A. 「瑕疵」とは隠れたキズの意味で、物件を引渡した後に何か不具合が出た場合、一定期間は売主が責任をもつことをいいます。あくまでも「隠れた瑕疵(キズなど)」についてですので、Q2.で書いた付帯設備表や物件状況報告書で売主が買主に告知している内容については免除されます。例えば、白蟻の被害はないとしているのに引き渡し後、一定期間内に発覚した場合は売主が補修の責任を負います。

瑕疵担保の期間は、一般の売主の場合1~2か月に設定していることが多いです。

売買契約書類のチェックリスト

不動産の売買契約書は、聞きなれない言葉が多くとっつきにくいと思われがちですが、とても大切な書類です。ここでは最低限度、確認しておくべき内容をチェック表にしてみました。

要確認事項
売買物件の表示について 物件の所在地、所有者の氏名・住所などに誤りはないか
売買代金・手付金・支払い日について 売買代金、手付金の額に誤りはないか
 契約日・引き渡し日に誤りはないか
 手付金の額は妥当か(高すぎたり、低すぎたりしないか)
土地の実測及び土地代金の清算について 土地の実測について誤りはないか
 面積の増減についての取り決めはあるか
所有権の移転と引き渡しについて 所有権の移転、引き渡しの時期について(確実に引き渡しができるのか)
負担の消除について 売買物件の抵当権や賃借権などの引き渡しに問題はないか
 その他権利関係(賃借権など)で引継ぎがある場合、明記されているか
危険負担について 引き渡し前に物件が天災等により滅失、毀損した場合の取り扱いは明記されているか
手付解除について 手付解除は可能か、その場合いつまで可能か
契約違反による解除について 違約金や損害賠償の予定額は明記されているか
瑕疵担保責任について 瑕疵担保責任の有無、有る場合期間は適当か
付帯設備表・物件状況報告書について 建物などの状況や引き継ぐべき事項は明確か
公租公課等の清算について 清算する内容、清算方法、清算額が明記されているか
ローン特約について ローン特約がある場合、その額や期間に無理がないか
その他 その他申し合わせ事項に漏れはないか