こんにちは!
神戸市西区で不動産の売買とリノベーション再販をしています、有限会社不動産リサーチの冨永薫子です。
「お家」関することで、私が実際に経験したことをお伝えしています。


今回は、「敷地だと思ったら実は道路だった!」です。

居住中のご自宅の売却のご相談を受けました。

今回ご相談の物件は、100坪以上の広い敷地に注文建築の建物が建っていて、広いお庭には和風のしつらえや桜や柿の木が植わっている、こだわりを感じさせる不動産です。

たまたま当社で、敷地の広い一戸建てを探しているお客さんに条件がピッタリだったのですぐにご紹介し、実際にご見学して頂きました。

ご見学にはご夫婦以外に奥様のご両親まで来られましたが、皆さんに気に入って頂き、お話が前に進めていくことになり、当社も売主さんも「こんなに早くいいお客さんが見付かるなんて♪」と喜んでいました。

が!喜びも束の間・・・。

契約に向けて調査をすると、法務局に登記されている測量図の土地の形状と実際の土地の形状とが明らかに違っていたのです。

のはずが、実際には↓↓↓

こんな感じで道路の場所に、立派な桜の木が植わっていました。

前面道路は「法42条1項5号道路」(不動産実務tipsさんより拝借しました)と言って、通称「位置指定道路」と呼ばれている道路の種類です。

この位置指定道路は、通り抜けが出来るかさもなくば「自動車回転広場」を設ける事とされています。

前面道路は行き止まりで尚且つ、長~い位置指定道路で35mは優に超えています。(35m以内に回転道路を設けなければならないとされています)

という事は・・・!そうです!桜の木の下は「自動車回転広場」だったのです!

売主さんにまず経緯をお尋ねすると、十数年前に更地を購入して新築を建てたがその時点で既に

道路との境界ブロックはまっすぐになっていたので、何の疑いも持たずに外構工事業者に新しいブロックをたててもらった、

とのこと。(地積測量図はもちろん本来の形状になっています)

入居後に役所の人間が訪ねてきたが特にお咎めもなかったし、ご近所から何も言われなかったので考えもしなかった、というのです。

もしも火事が起きたり、救急車が入ってくるようなことがあれば前面道路の幅は4mと狭いので、自動車回転広場がないと厳しい状況になったと思います。(何もなくてよかった!)

新しい買主さんは、住宅ローンを組んでご購入されるのですが、当然に現在の土地の形状のままでは融資がつかないので

急遽、売主さんのご負担で宅地の一部を「自動車回転広場」に戻す工事が行われました。立派な桜の木も撤去されました。

土地の形状が変形になったのと、敷地面積自体も小さくなったので売買価格の交渉が入り売主さん、買主さんそれぞれが了承する価格に落ち着いたので

すったもんだがありましたが、何とか売買契約に至りました。

それと固定資産税の額が若干ですが、下がりました。固定資産税の調査をする係は道路の上に宅地がまたがっていることまでは未確認ですので(役所の縦割り行政!)、道路に切り出す(戻す)ことで敷地面積が少なくなりました。

日々の業務では、本当にいろんなことが起きます。

不動産ひとつひとつにそれぞれの物語がありますねぇ。

さて、今日も頑張ります!皆様にとっても良い一日でありますように!